日光東照宮めぐり
日本各地に500以上あると言われている東照宮の中心的存在で、江戸時代初期の華麗な装飾芸術の宝庫です。建築物は55棟からなり、そのうちの8棟が国宝、34棟が重要文化財の指定を受けています。
「①〜⑭の各名称」をタップすると説明ページに移動します。
1.石鳥居 |
2.五重塔 |
4.神厩舎 |
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5.三神庫 | 6.御水舎
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7.廻転灯籠 |
8.陽明門 |
9.神輿舎 |
10.唐門 |
11.御本社 |
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14.本地堂 |
1.石鳥居(いしどりい)【重要文化財】
1618年に、筑前藩主・黒田長政が奉納し、鎌倉・鶴岡八幡宮、京都・八坂神社と合わせて日本三大石鳥居と呼ばれています。
石は黒田長政の拠点である九州から船で運ばれたそうです。
遥か遠い九州の地から船を使いその後陸路にて石材が運ばれてきたことに家康公の威光を感じますね。
2.五重塔(ごじゅうのとう)【重要文化財】
1650年に、若狭の小浜藩主・酒井忠勝が寄進したのちに焼失したが、1818年に再建されました。吹き抜け内部には耐震用の心柱が吊り下げられています。
運良く五重塔心柱特別公開中に訪問したので、懸垂式で四重から吊り下げられ床から15cmほど宙に浮く心柱を見ることができました!
五重塔の初層をぐるりと囲むように、十二支の彫刻が施されており正面左側には、家康公、秀忠公、家光公の干支である寅、卯、辰の干支が施されているが、偶然なのか意図したものなのかは定かではないです。
この五重塔の免震機能はスカイツリーの制振システム(心柱制振)にも応用されたそうです。
3.表門(おもてもん)【重要文化財】
数多くの動物彫刻がある東照宮最初の門で、八脚門両側には仏教の守護神仁王像を安置されています。
仁王門とも呼ばれ、獅子や麒麟、猿など82にも及ぶ霊獣の彫刻が施されています。
仁王像、唐獅子ともに阿形(あぎょう/右側)と吽形(うんぎょう/左側)の阿吽(あうん)の安置となっていて重厚な迫力を感じますね!
表門の左側の道に上新道というパワースポットがあります。
4.神厩舎・三猿(しんきゅうしゃ・さんざる)【重要文化財】
神の使いの神馬を留め置く厩舎で、東照宮境内で唯一の素木造りだそうです。
馬を守るとされる猿の彫刻があり「見ざる、言わざる、聞かざる」の三猿が知られています。神厩舎を飾る8面の彫刻には猿の一生を描いた物語が彫られているようです。
有名な「三猿」の「見ざる」「言わざる」「聞かざる」は、品格を落とすようなことは「見ない」「言わない」「聞かない」という教訓の意味が込められているそうです。
三猿を含めて物語が伝えようとしている人生のアドバイスを全8幕から読み取ってみてくださいね!
5.三神庫(さんじんこ)【重要文化財】
祭事で使う道具類を保管する上神庫・中神庫・下神庫を合わせて三神庫といいます。
上神庫の屋根の妻には想像の象の彫刻が施されていて、象の彫刻は絵師・狩野探幽の下絵とされています。
探幽は本物の象を見ていないため、耳や尻尾などが実際の象とは異なっています。
想像で作られた象の彫刻は漠にも似ているように見えますね!
6.御水舎(おみずや)【重要文化財)】
参拝前に手や口を清める場所。
花崗岩の水盤は、1618年佐賀藩主・鍋島勝茂が寄進。
大きな翼を持つ飛龍の彫刻は必見!
水の神様飛龍は、水を司る霊獣で勇壮な御水舎の飛龍は東照宮の数ある飛龍の中でも最高傑作と称されています。
サイフォンの原理が用いられており、水を吹き上げるという近代的な設計で水を自動的に移動させるとは何とも驚きです。
7.廻転灯籠(かいてんとうろう)
オランダから贈られた八角形の灯籠。葵の御紋が逆さまになっているので別名「逆紋の廻転灯籠」。
よく見ると9カ所ある葵の御紋全てが逆さま!
この灯籠はアムステルダムに住むオランダ職人の手によって作られたものなので御紋の向きを間違えてしまったようです。
向きを直すことなく贈られたままの姿で設置されていることにも驚きですね!
8.陽明門(ようめいもん)【国宝】
東照宮のシンボル的存在
「日が暮れるのも忘れて見惚れてしまう」ほどの美しさから、別名「日暮らしの門」とも呼ばれています。江戸初期の工芸技術の粋を集めた華麗な装飾で知られていて、聖人や賢人、故事逸話にまつわる彫刻が多く、信仰や思想が表されています。
陽明門を支える12本の柱のうち、一本だけ模様が逆さまになっている柱があるんだって!
あえて逆さになってるみたいで、建物は完成してしまうとあとは廃れていくだけなので、あえて不完全にすることで「まだ完成していないので廃れることはない」という事らしいよ!
他にも東照宮の中には廃れないという意味で未完成のものがあるそうです。
拝観コース11の御本社の中にも2本逆さの模様になっている柱があるらしい!
探してみよう!
9.神輿舎(しんよしゃ)【重要文化財】
春と秋の百物揃千人武者行列で担ぎ出される3基の神輿が納められています。
家康公と相殿として祭祀されている祭神が、源頼朝卿と豊臣秀吉公です。
3基のうち中央が祭神・家康公の神輿で、正面左側の神輿が源頼朝卿、右側の神輿が豊臣秀吉公の神輿です。
また、天井に描かれた「天女奏楽図」の天女は、日本随一の美人天女と言われています。
神輿が出払った際に天女図の下で手を打つと、鳴龍と同じように反響して「天女のささやき」が聞こえるらしい!
残念ながら鳴龍のようにいつでも聞くことはできませんが…
10.唐門(からもん)【国宝】
重厚な唐破風屋根を持つ御本社の正門。
全体を胡粉(貝殻の顔料)で白く塗り、陽明門より多い611体の緻密な彫刻で装飾されています。
1本の欅の木から彫られた門の頭上を飾る真っ白な群像彫刻は古代中国伝説の皇帝・舜帝が臣下に謁見する様子を表したものです。
彫刻群は陽明門を上回る数があるので、徳川家の威厳や思想、格を表現しているようにも見えますね!
11.御本社(ごほんしゃ)【国宝】
白い門(唐門)の後ろにあります。
東照宮の中心建築で例祭をはじめとする年中の祭典を執り行う東照宮で最も神聖なる場所。拝殿、石の間、本殿で構成された権現造り。本殿には祭神の東照大権現がお祀りされています。
陽に照らされて黄金に輝く御本社の美しさから目を離すことができず、ただただ魅了され荘厳な佇まいに圧倒されました〜
中を見学できるようになっていて、拝観コース8の陽明門と同じように逆さ模様の柱が2本あるらしい!
探してみよう!
12.坂下門、眠り猫(ねむりねこ)【国宝】
東廻廊から奥宮へ通じる参道入り口の欄間に彫られているもので、江戸初期に活躍したとされる幻の名匠・左甚五郎の作品と伝えられている。
「日光」にちなみ日の光(日光)を浴びて牡丹の花に囲まれて気持ちよさそうにうたた寝をする猫が表現されています。
裏面にはスズメの彫刻が施されていて、
スズメが飛んでいても気にもせず猫がうたた寝するほどのどかで平和な天下泰平の世を作りたいと願った家康公の思いが込められているそうです。
この眠り猫をくぐるとすぐに石段があり、この石段がパワースポットになっています。
13.奥宮(おくみや)【重要文化財】
徳川家康公が眠る地へ続くパワースポット!
拝殿の外観は黒一色で、内部は金箔や極彩色の鳳凰図で飾られています。御宝塔には家康公の神柩が納められていて、木造の宝塔を5代将軍綱吉公が銅製に建立以来一度も開けられていないそうです。
奥宮までは207段の石段を上りますが、朝霧で浮いてしまわぬよう踏み石には重い一枚石が使われているそうです。
かつては将軍のみが参拝を許されていた場所に、
今は誰もが行けることに感謝しながら参拝したいですね。
また奥宮には樹齢600年にもなる「叶杉」があり、この杉に願い事を唱えると願い事が叶うと言われているそうですよ!
14.本地堂(薬師堂)の鳴龍(ほんじどうのなきりゅう)
本地堂(薬師堂)の天井に描かれた縦6m×横15mの巨大な龍の絵。
34枚の檜板に描かれており大迫力!狩野安信によって描かれていたが、1961年に焼損しその後堅山南風が復元したそうです。
さすがに鳴龍の写真は撮らせてもらえませんでした(笑)
巨大な龍に睨まれながら龍の頭の下で拍子木を打つと、天井と床が共鳴して「キィーン」と響いて、まるで龍の鳴き声のように聞こえるということで有名ですね。
鳴龍の解説を聞きながら天井を眺めていると今にも動き出しそうな大迫力でした!
本地堂(薬師堂)の管轄は日光東照宮ではなく日光山輪王寺で、薬師如来がお祀りされています。