寺と神社の参拝方法の違い
初詣などで何度もお参りしているであろう寺や神社。
実は、寺と神社で参拝方法が異なることをご存知でしたか?もちろん参拝の作法は知っている!という人でも、寺と神社で同じようにお参りしている場合が多いのではないでしょうか。
ここでは、意外と知られていない寺と神社の正式な参拝方法を解説していきます。
神社の参拝方法
ステップ1:まず入口となる鳥居の前で一礼し、参道を歩いて拝殿へと向かいます。参道の中央は神様の通り道としている神社も多いので、左右どちらかの端を歩くのが基本です。
ステップ2:手水舎(ちょうずや)で手と口を清めます。手水舎の作法はまず右手で柄杓(ひしゃく)を持ち、最初に左手を洗い、次に柄杓を持ち換えて右手を洗います。最後に左の手のひらに水を受け、口に含んですすぎましょう。この作法は神社も寺も共通です。
ステップ3:拝殿の前に立ったらお賽銭を入れ、鈴を鳴らして神様を呼びます。
ステップ4:その後は「二拝二拍手一拝」を行います。深いお辞儀を2回したら2回拍手をし、最後にもう一度お辞儀をします。
寺の参拝方法
寺での参拝作法も途中までは神社と同じです。
ステップ1:入り口の山門で一礼し、参道を歩きます。寺の場合は真ん中を歩いても構いませんが、門の敷居を踏まずにまたぐよう気をつけましょう。
ステップ2:手水舎(ちょうずや)で手と口を清めます。本堂へと向かう途中に線香を供える常香炉(じょうこうろ)がある場合は、線香の煙を浴びて心身を清めましょう。
ステップ3:本堂で御本尊の仏像の前に立ったら、お賽銭を入れてお参りをします。
ここが神社と異なるポイント!
ステップ4:寺では拍手はせず、静かに手を合わせる「合掌」をして心の中でお祈りをします。お祈りが終わったら深くお辞儀をしてその場を離れましょう。
寺と神社の定義
寺の定義:「仏像があり、お坊さんの住むところがお寺」
神社の定義:「日本の神様が住むところが神社」
ということができます。もう少し詳しくみてみましょう。
【寺】
寺には、お坊さん・尼さんなどの仏教を信仰する修行者がいて、仏様の像が置かれています。仏様には大日如来、薬師如来、釈迦如来、聖観世音菩薩などたくさんの種類があります。
それらの違いがわからなくても観光するのには問題はありませんが、知識を積み重ねるとより寺を訪ねるのが楽しくなるでしょう。
また、神社では祀られている神様の姿を見ることが出来ませんが、寺では仏様の像を見られる場合がほとんどです。多くの日本人が仏教の方式で葬式を行い、お墓も寺の敷地内にあることが多いです。
【神社】
神社は、かつて信仰されていた自然のあった場所や、神聖な儀式を行っていた場所が起源と言われています。神社では神道の神様が祀られ、神道に携わる神主さん(神主というのは、役職の名前ではなく、神職一般としての名前)や巫女さんなどが、儀式の準備などの仕事をおこなっています。
神社の入口にはたいていの場合、鳥居があります。神様の世界と人が住む世界とを区別する施設です。
神社の大半が、祀られている神様の名前を元にして名づけられています。神道にはたくさん神様がいるため、それだけたくさん神社も建てられているのです。その中でも、特に大きな神社は○○神宮や○○大社という風に呼ばれます。
伊勢神宮や出雲大社がそうですね!
違いを意識して参拝してみよう!
寺と神社がそれぞれどんな場所なのかおわかりいただけたでしょうか?
今回ご紹介したほかにも、参拝方法や作法など、寺と神社の細かな違いはたくさんあります。このような違いを知ったうえで、寺と神社の空気感や世界観をそれぞれ楽しんでみてくださいね!